Double Horizon

TitleDouble Horizon
作家名スクリプカリウ落合安奈 SCRIPCARIU-OCHIAI, Ana
技法・素材シングルチャンネルビデオ、サウンド (Full High Definition)
制作年(終)2020
制作年(和・終)令和2
作品・作家解説前作《骨をうめる-One's Final Home》で取り上げた交易商が没したヴェトナムの地から、彼が生まれた長崎へ視座を移した映像作品。かつて貿易港として栄えた平戸には、異国の人々と結ばれた女性やその子供たちが国外追放された歴史や、海を越える鯨の伝承などが残る。2020年、同地を訪れた作者はフィールドワークを続ける中で、そうした様々な「隔たりを生むものと、それを越えていくもの」に出逢い、映像におさめた。
本作の終盤、作者は平戸南西部の海岸から、ホイアンの方角をまなざす。ホイアンの貿易商の墓は、日本の方角にあたる北東10°を向いて建てられている。映像の中でヴェトナムと日本、それぞれの地から見た海の光景が重なり合い、二つの視点が交差する。そしてふたたび作品はループし、冒頭のホイアンから日本を見つめた海のシーンに戻る円環構造となっている。これまで絵画・写真・インスタレーションの形で制作してきた作者にとって、初めて映像単体として取り組んだ作品として注目できる。

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