M嬢像

TitlePortrait of Miss M
作家名寺内萬治郎 TERAUCHI Manjiro
技法・素材油彩、カンヴァス
circac.
制作年1948
制作年(和)昭和23
制作年(推定) 
寸法縦(cm)45.50
寸法横(cm)38.00
作品・作家解説寺内萬治郎[てらうち・まんじろう]
1948(昭和23)年頃 油彩、カンヴァス 45.5×38.0cm

1948年に寺内の新しいアトリエが完成しました。最初のアトリエは、建築雑誌で紹介されたほどにモダンな建物でしたが、45年の漏電火災で焼失したのです。同時にアトリエに置いてあったすべての作品も失った寺内は、「自分の人生には過去はなくなった。未来があるだけだ。これからが自分の仕事だ。」と語って再出発しています。小品ながらもモデルの生き生きと張りつめた表情をとらえた本作品は、ちょうどこの時期に描かれたもので、制作を再開できた寺内の意気込みと緊張感までが伝わってくるような力作です。この作品にみられる黒髪の描写は、その後さらに深められ、やがて代表作《髪》(61年)にみられる筆さばきの妙技へと昇華していきます。なお、この作品と並行して制作されたと思われる、同じコスチュームのモデルがマンドリンを抱えた姿を描いた作品も残されています。

寺内萬治郎[てらうち・まんじろう]1890(明治23)―1964(昭和39)
東京美術学校で藤島武二に学び、卓越したデッサン力による人物画を数多く描く。1934年浦和にアトリエを構えた頃から裸婦を主要なモチーフとし、「裸婦の寺内」と評される。埼玉県の美術の発展や後進の育成に尽力した功績は大きい。

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