アラシの夕

TitleEvening Stormy
作家名武内鶴之助 TAKEUCHI Tsurunosuke
技法・素材油彩、カンヴァス
制作年1912
制作年(和)明治45
寸法縦(cm)50.80
寸法横(cm)68.50
作品・作家解説武内鶴之助[たけうち・つるのすけ]
1912(大正1)年 油彩、カンヴァス 50.8×68.5cm

日本人画学生の海外留学先はフランスが圧倒的に多く、イギリスは南薫造や原撫松などがいますが少数派でした。武内はその一人で本格的な油彩画を学び取り、またパステル技法を日本に伝えました。滞在中の1910年から12年には水平線を画面下部近くに低く取り、変わりやすいロンドンの空に広がる雲の様々な動き、色、フォルムの変化を描き続けています。この作品は留学中習得したアカデミックな技法を駆使し、雲に注目した彼の代表的な作品です。起伏のある丘で羊の群れが草をはんでいます。嵐の前兆か、乱れ飛ぶ雲の切れ間から沈みかけた太陽の残光が、背後の山並みを黄金色に染め上げている印象深い光景です。主題は陽に透かされて流れ行く雲の群れでしょう。描法は全くアカデミックですが、独特の詩情が漂う作品です。

武内鶴之助[たけうち・つるのすけ] 1881(明治14)―1948(昭和23)
28歳で渡英し、ロンドン美術学校に入学、フランク・ブラングウィンとジェームズ・スワンに学ぶ。翌年ロイヤル・アカデミーに初入選。また、エドワード・スタットにも学びパステル画法を習得。帰国後1938年旧浦和町に居住し、文展や光風会展に出品する。本格的なパステル画の技法を日本に伝えた功績は大きい。

PageTop