TitleFlower
作家名瑛九 Q Ei
技法・素材油彩、板
制作年1956
制作年(和)昭和31
寸法縦(cm)52.70
寸法横(cm)45.50
作品・作家解説瑛九[えいきゅう] 
1956(昭和31)年 油彩、板 52.7×45.5cm

画面全体にあふれる色鮮やかな円形は、咲き乱れる花のようにも、飛び散る花火のようにも見えます。ひとつの円から別の円へと視線を動かして見ていくと、前景と後景があいまいになった不思議な遠近感が生じ、画面に流動的な動きを感じることもできます。この作品を描いた翌年、〈デモクラート美術家協会〉の解散を宣言した瑛九は、友人たちとの交遊も減らし、ひとりアトリエにこもり油彩画制作だけに集中していきます。「混だくした自己から」脱出して、「絵画の中に突入できるかどうか、最後の冒険を試みようとしています。」と語りながら、晩年の瑛九は無数の色点を塗り重ね、具体的な対象や現実を超えた無限の広がりをもつ世界を展開しています。

瑛九[えいきゅう] 1911(明治44)―1960(昭和35)
本名は杉田秀夫。日本美術学校で絵画を学ぶ。16歳から美術評論を始める。1936年フォトグラムの作品集《眠りの理由》を刊行し、この時から“瑛九”のペンネームを使用。51年に〈デモクラート美術家協会〉を結成。戦後の日本の美術において、先駆的役割を果たした。

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