浦和風景

TitleScene in Urawa
作家名高田誠 TAKADA Makoto
技法・素材油彩、カンヴァス
制作年1929
制作年(和)昭和04
寸法縦(cm)72.50
寸法横(cm)91.20
作品・作家解説高田誠[たかだ・まこと]
1929(昭和4)年 油彩、カンヴァス 72.5×91.2cm

高田誠は16歳でプロの絵描きの登竜門で難関の二科展に入選を果たしました。彼は小学生時代から油彩画を描き、市内の画家に指導を受けていたとはいえ、当時は大変珍しいことで新聞に大きく報道されました。この作品は、夏休みの午後、県庁付近の小高い台地から浦和市内を遠望し描いたもので、文化の殿堂であった特徴のある埼玉会館と、手前に広がる町並を見おろすようにとらえています。真っ青に広がる空に雲が流れ行き、台地の樹木は生き物のように画面中央に向かって枝を伸ばしています。対象のすべては素早い筆の運びで簡略化され生動感があふれています。輪郭線と原色を巧みに用いたフォーヴィスムの影響の強いものですが、若い高田の粘りと率直さの横溢(おういつ)した重厚な作品です。

高田誠[たかだ・まこと]1913(大正2)-1992(平成4)
1929年浦和中学校在学中の16歳の時に二科展に初入選。その後安井曾太郎に師事し、36年安井が〈一水会〉を創設するとともに参加。やがて文展、日展に出品し受賞を重ねる。78年日本芸術院会員、87年には文化功労者に選ばれる。長年、埼玉県美術家協会会長として埼玉県の美術振興につとめた。

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