東洋の少女(しとやかなナイチンゲール)

TitleOriental Girl(Dewy nightingale)
作家名田中保 TANAKA Yasushi
技法・素材油彩、ボード
circac.
制作年1918
制作年(和)大正07
制作年(推定) 
寸法縦(cm)35.80
寸法横(cm)32.60
作品・作家解説田中 保[たなか・やすし]
1918(大正7)頃 油彩、ボード 35.8×32.6cm

この作品を見たとき、ピンク系の色彩を主体に構成された抽象画と思う人が多いでしょう。でもよく見ると、作品の中央に人物らしきものが描かれているのに気づくはずです。そこでは上方に頭部があり、胴体と平行して垂直に右腕が伸びているのがわかります。田中の裸婦によくあるポーズです。1919年、ニューヨークの自然史博物館で、シアトルの他の画家たちとともに田中の12点の油彩画が展示されていた頃、シアトルでもファイン・アート・ギャラリーでは北西画家展が開催されていました。この作品は、その時の出品作品で、当時のジャーナリズムは、「しとやかでもなく、ナイチンゲールでもないが、色づかいがすばらしい」と評しています。パリ時代と異なり、具象と抽象をたくみに描き分けた田中のシアトル時代の一面がよく現れている作品です。

田中 保[たなか・やすし]1886(明治19)―1941(昭和16)
1904年現在の埼玉県立浦和高等学校を卒業。単身でシアトルに渡り、絵画を学び画家となる。特に裸婦の作品で注目された。20年夫人と共にパリに移住し、定期的に開催されるサロン・ドートンヌ等の展覧会で活躍した。故郷を離れて、一度も帰国せずにパリで没した。

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