横向きのピエロ

TitleProfile of a Clown
作家名ジョルジュ・ルオー Georges ROUAULT
技法・素材油彩、紙(麻布で裏打ち)
circac.
制作年1925
寸法縦(cm)64.30
寸法横(cm)45.80
作品・作家解説ジョルジュ・ルオー
1925年頃 油彩、カンヴァス 64.3×45.8cm

黒い輪郭線が、ピエロの上半身を大きくがっしりととらえています。絵具を置いてはペインティング・ナイフで削り取り、色の薄い層を塗り重ねるという手法から、沈んだ色彩の中に渋い光沢があらわれています。道化の衣装をまとっていても、彼の目や唇はひっそりと閉ざされ、舞台で華やかに愛きょうをふりまく姿はみじんもありません。強いタッチで描かれているにもかかわらず、むしろ喜びや悲しみを越えた静けさをたたえているようにみえます。ルオーは半世紀以上にわたってサーカスを描きましたが、なかでもピエロは数多く登場します。見かけにとらわれずに人間の本質を見つめる画家が、いつわりの道化者にふんした人に向ける慈しみの視線は、やがて描かれるキリストの受難を予感させます。

ジョルジュ・ルオー 1871-1958
ステンドグラス職人の徒弟として働いた後、装飾美術学校を経て、エコール・デ・ボザールのギュスターヴ・モロー教室で学ぶ。1903年頃から激しい色彩と荒々しい筆触で道化師や娼婦をとらえ、グワッシュ(不透明水彩)、油彩画、版画を手がけた。主題はやがてキリストの受難へと集中した。

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