花びんのある裸婦

TitleNude with a Vase
作家名田中保 TANAKA Yasushi
技法・素材油彩、カンヴァス
制作年1920
制作年(終)1930
制作年(和)大正09
制作年(和・終)昭和05
寸法縦(cm)80.20
寸法横(cm)75.90
作品・作家解説田中 保[たなか・やすし]
1920-30(大正9-昭和5) 油彩、カンヴァス 80.2×75.9cm

ほぼ正方形に近い画面の中央に植物の入った花瓶を大胆に配置し、そばには裸婦が描かれています。田中はテーブル、花瓶の花、そして裸婦をたくみに構成し、画面にそこはかとない神秘感を漂わせています。闇のような背景は、シアトル時代に傾倒したレンブラントやルーベンスの肖像画からの影響でしょう。田中は1919-20年頃、非常に多くの肖像画を描きました。この作品はおそらくシアトル時代から構想され、完成したのはパリ在住期間の半ばと推定されます。それは、華やかなファッションが街を彩った20年代のパリを象徴するように、腕輪がテーブルにさり気なく置かれていることからもうかがえます。そして何よりもフランス時代の田中の作品の特徴は、描かれた裸婦の奇妙で不思議なポーズです。それは晩年になるにつれて次第に顕著になっていきます。

田中 保[たなか・やすし]1886(明治19)―1941(昭和16)
1904年現在の埼玉県立浦和高等学校を卒業。単身でシアトルに渡り、絵画を学び画家となる。特に裸婦の作品で注目された。20年夫人と共にパリに移住し、定期的に開催されるサロン・ドートンヌ等の展覧会で活躍した。故郷を離れて、一度も帰国せずにパリで没した。

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