赤いテーブルの上の果実

TitleFruits on a Red Table
作家名キスリング KISLING
技法・素材油彩、カンヴァス
制作年1944
寸法縦(cm)53.60
寸法横(cm)72.60
作品・作家解説キスリング
1944年 油彩、カンヴァス 53.6×72.6cm

キスリングはパリでモンパルナスの画家達の中心的存在でしたが、ユダヤ系のため第二次大戦の戦禍を避け1941年アメリカに渡ります。この作品はアメリカで描かれたものと思われます。洋梨、りんご、ぶどうなどの果物が赤いテーブルの上にひしめくように並んでいます。左側から当てられた強い光は果物の華やかな色彩を際だたせ、影の部分との強烈なコントラストを示しています。それが画面の重心をやや偏らせた構成と重なり、不安定な印象を増幅させています。そこには戦争に対する不安感が投影されているようにも思われます。果実を陶器のようにつややかに描く方法、ピカソやドラン、モディリアーニらと交流しながら得た形を簡潔に構成する方法、そして原色を使い一見華やかでありながら憂愁を感じさせる画風など、キスリングの特徴がよく表れています。

キスリング 1891-1953
クラクフの美術学校で学び、1910年からパリに住む。24年フランスに帰化。ユダヤ系のため第二次大戦中はアメリカに亡命し、46年帰国。エコール・ド・パリを代表する画家の一人で、肖像画や静物画を得意とした。

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