不協雑音

TitleDissonance
作家名須田剋太 SUDA Kokuta
技法・素材油彩、ドンゴロス
制作年1955
制作年(和)昭和30
寸法縦(cm)162.00
寸法横(cm)131.00
作品・作家解説須田剋太[すだ・こくた]
1955(昭和30) 油彩、ドンゴロス 162.0×131.0cm

「造形とは掴(つか)み合いの結合です。物質を早いこと、じかに精神にしてしまう技術です。」として、20年間にわたって抽象画に取り組んだ須田の制作は、絵具に大鋸屑(おがくず)や砂、ジュラルミンの粉を混ぜたり、竹ひごや石膏を画面に貼り付けたりと、カンヴァスの上に荒々しい生命力にあふれた物質感をみなぎらせるための格闘でした。1955年第29回国画会展初出品、2年後の第4回サンパウロ・ビエンナーレにも出品されたこの作品は、抽象画を始めてから比較的早い時期のものです。目の粗い麻袋を縫い合わせてカンヴァスとし、白い下塗りの上に、塗りの方向を違えたり、濃淡をつけたりして、所々にカンヴァスの目を浮かびあがらせています。緑と青を基調とした矩形の色面が、まるでノイズを発しているように拮抗(きっこう)し、複雑な絵肌を作り上げています。

須田剋太[すだ・こくた] 1906(明治39)―1990(平成2)
旧制熊谷中学校を卒業の後、川端画学校に学ぶ。第二次大戦中に浦和から関西に転居。戦後は抽象画に転じ、国画会で発表。1976年から再び具象画も手がけ、抽象・具象の両方を並行して制作。司馬遼太郎『街道をゆく』の挿絵や、豪放な書でも知られた。

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