草 冬

TitleGrasses; Winter
作家名小島喜八郎 KOJIMA Kihachiro
技法・素材油彩、カンヴァス
制作年1997
制作年(和)平成09年
寸法縦(cm)181.80
寸法横(cm)454.60
作品・作家解説小島喜八郎[こじま・きはちろう]
1995(平成7)年 油彩、カンヴァス 181.8×454.6cm
1997(平成9)年 油彩、カンヴァス 181.8×454.6cm

これらは同じ場所、同じアングルで捉えられた草むらを描いたものです。緑が爆発的な生命力で繁茂する夏と、静かに雪に覆われる冬枯れの光景が対比的に描かれています。1点ずつでも大画面のリアルな描写に目を見張りますが、2点を対で見ると、時間の流れとそれに伴う事物の変化の様子が看取されます。「草」の連作において、小島は草むらを定点観測して写真に収め、それを参考に没我的にじっくりと描いていきましたが、そこには朝夕、春夏秋冬、晴天と曇天などのような、さまざまな「とき(時/季)」の対比が見られます。一日のなかで事物の見え方の変化を追い、光の戯れを現前させる場合とは異なり、夏と冬が対比されると、生と死、生命の循環のイメージが強く感じられるようになります。「草」の連作のなかでもとりわけ大きい、二年余をかけて仕上げられた小島の代表作です。

小島喜八郎[こじま・きはちろう] 1935(昭和10/埼玉県飯能市)-2008(平成20/埼玉県飯能市)
飯能高校卒業。福沢一郎に師事した地元在住の画家白木正一に出会い、当初はシュルレアリスム風の作品を制作。「紙の上の世界」の連作を経て1978年から「草」の連作を開始。画面いっぱいに身近な草花を克明に描き、描く行為それ自体を通じて<絵画>から脱却する境地を目指す。晩年は風に揺らぐ植物をソフトフォーカスで描く「風」の連作に取り組んだ。

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