無題

TitleUntitled
作家名上村次敏 UEMURA Tsugutoshi
技法・素材水彩、ペン、鉛筆
circac.
制作年1959
制作年(和)昭和34
制作年(推定) 
寸法縦(cm)54.40
寸法横(cm)77.00
作品・作家解説上村次敏[うえむら・つぐとし]
1959(昭和34)年頃 水彩、ペン、鉛筆、紙 54.4×77.0cm

真赤な大地から力強く生える、不思議なかたちの植物。規則正しく増殖しながら、はるか彼方へと続いています。あたかもコンピューター・グラフィックスを駆使して同じ画像を反復したかのようですが、よく見ると葉や幹の付き方が微妙に異なっており、作者の手によってひとつひとつ丹念に描かれていることがわかります。上村は、当時の美術界を席巻していた、激情的な抽象表現であるアンフォルメルに疑問を抱き、自らが育った南国宮崎の亜熱帯植物を手掛かりに、空想上の植物を精巧に描いていきました。生命力に溢れるこれらのモチーフは、作者特有のダイナミックな空間表現によって、いっそう非現実的な光景を創り出しており、私たちを神秘的な植物の王国へと導いてくれます。

上村次敏[うえむら・つぐとし] 1934(昭和9)―1998(平成10)
1961年武蔵野美術学校卒業。在学中から、植物のような形を細密に描く水彩画で注目され、59年第3回シェル美術賞展で3等を受賞。63年には第3回パリ青年ビエンナーレに出品した。80年代に入ると、テンペラの技法によって、西欧の大聖堂や過去の名画などをモチーフに、天地が反転するような空間を描いた。

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