早稲田システム開発株式会社は、1992年の創業以来、一貫して博物館向けの収蔵品管理システムの開発・運用に特化し、事業を展開して参りました。他業種向けのシステム開発を行わない「専業」として活動し、多くの関係者の皆様とよりよいミュージアム運営環境づくりを目指す議論を交わし、その時々にお伺いした肉声を各館のシステム開発に反映することで、現在では揺るぎないシェアを築いております。博物館の多くは、図書館や体育館などと並び、国民生活の基盤を担う公共施設です。長い歴史の中で独特の文化を育んできた日本にとって、知的好奇心を満たし、文化的生活を維持するための基礎的な施設は非常に重要な役割を果たします。しかし、昨今では経済合理性の側面から語られる場面が目立ち、その影響からか専任学芸員の減少など、運営環境の悪化が目につくようになってきました。図書館や体育館などに比べ、収益性や採算性が問われるケースが多い博物館ですが、反面で社会装置としての重要性が相対的に低下しているのであれば、それは国民にとって由々しき事態と言えます。もちろん、支出の見直しなどを含めた環境改善は絶えず推し進めるべきではありますが、だからと言って地域文化の保全の軽視につながるような風潮の蔓延を黙って眺めているわけにはまいりません。環境保護意識が高まり続ける現代、自然環境を守ることだけでなく「心の環境」の大切さについても、もっと深く語られるべきなのではないでしょうか。かつての社会を支えていた「絆」の希薄化が指摘される昨今、地元意識や郷土・郷里愛を育て、知的欲求を満たし、審美眼や価値観を磨くといった「心の成長」は、日本の持続的成長の原動力となり得るはず。博物館は、その基盤を支える重要な機関のひとつなのです。当社は、博物館に求められる効率性の向上を促す製品やサービスの提供のみならず、社で実施し得るあらゆる手段をもって、全国のミュージアム関係ご各位の業務環境の支援に努める所存でございます。IT関連企業としての技術の研磨を持続しつつ、博物館業界人としての意識を常に忘れず、皆様とともに運営環境の維持向上を考えていきたいと願っております。私たちの文化が直面する逆風への危機感を胸に、当社は今後も全力で事業に邁進いたします。皆様におかれましては、ご指導ご鞭撻のほど、何とぞ宜しくお願い申し上げます。 平成三十年六月 早稲田システム開発株式会社 代表取締役 内田剛史
代表挨拶
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