内装用タイル[半磁器タイル]

製造元INAX
発売年1937年
商品開発の市場背景(ニーズ)大正時代後半となると、タイルは装飾性よりも衛生面が重視され、銭湯などで白色を主体とするタイル張りが普及し始める。さらに1927 年(昭和2年)、大阪府議会が「遊郭のトイレと消毒所はタイル張りにすること」と決議したのをきっかけに、一般家庭でも台所や風呂をタイル張りにすることが一気に広まった。
商品開発の企業背景(シーズ)外装を中心としたモザイクタイルに加え、内装タイル販売による事業拡大を考えた伊奈製陶は、陶器質タイルよりも吸水率を低くし、品質を向上させた半磁器タイルを開発し、市場に普及させた。
住生活に与えた影響人々の衛生思想の普及とともに、半磁器タイルへのニーズは高まっていった。明治から大正初期に建築を彩った装飾タイルのイメージは薄れ、「タイルと言えば白色で清潔なもの」というイメージが日本人に定着していった。
製品の特長陶器質タイルよりも吸水率を低くし、品質を向上させた半磁器タイル
開発の苦労話・その他1933(昭和8)年、準戦時態勢による事業統制のもとで、吸水率8-20%の陶器質タイルに関し、新規業者の市場参入が禁止された。これに対し、伊奈製陶は、吸水率を下げ陶器質タイルの規定以下のタイルを開発し、半磁器タイルとして市場に投入した。

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