上笠天満宮講踊

解説草津市上笠町の上笠天満宮(かみがさてんまんぐう)で、秋の大祭(毎年10月25日に最も近い日曜日)に奉納されるのが「上笠天満宮講踊(こうおどり)」です。
弘化3年(1846)の歌本「講踊稽古本」(草津市蔵)が残されており、近世後期には、現在と同様の踊りが踊られていたことが分かっています。
太鼓打ち・シンボウウチ・中踊り・外踊り・音頭から成る講踊りは、「渋川の花踊り」同じく「太鼓踊り」と呼ばれる風流踊りです。「講踊」という名前は「小踊(こおどり)」が転訛して「こうおどり」となり、それに「講」の字を当てたものだと考えられています。同種の太鼓踊りである守山市古高町の「古高の鼓踊り」も「こおどり」と読みます。  
講踊の特徴のひとつに「鳥指しょうもん」が挙げられます。「鳥指しょうもん」とは、踊りの中休みに一人の踊り手が踊るもので、講踊とは異なる舞踊です。狂言の囃子物に由来を持つと考えられ、かつては他の地域でも風流踊りとともに「狂言」と呼ばれていたものが伝承されていたとも言われています。現在では踊り手がいなくなってしまい、踊られなくなっていますが、風流踊りと狂言を共に行なう芸能が伝承されていたという事実は大変貴重なものです。

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