カテドラル

資料ID258
中分類彫刻
法量幅31.5 奥行31.0 高55.5(台座含まず)
制作年1937年(昭和12)
作者名A高田博厚
作者情報高田 博厚  【1900~1987年(明治33~昭和62)】
1900年(明治33)石川県生まれ。中学1年の時、彫刻家・雨田光平氏の作品彫刻に触れ、また文学、哲学、美術の書にも親しむ。中学卒業と同時に上京し、彫刻家・詩人である高村光太郎や画家・岸田劉生の知己となる。東京外国語学校イタリア語科に入学し、雑誌「白樺」に「ミケランジェロの手紙」 の翻訳を連載するが、2年で退学。絵から彫刻の道を志すようになり、1929年(昭和4)国展に出品、1931年には単身パリに渡り、以後27年に及ぶ滞欧中、ロダンやマイヨールらに学び、当時の文化人らと交流しつつ、彫刻の制作に没頭した。1957年(昭和32)日本に帰国し、新制作協会会員として活動する。パリ・マイヨール美術館に作品が43点収蔵されている。
資料解説高田博厚の滞欧中に、パリで制作されたトルソ。材質はセメント。トルソとは、頭・四肢を欠いた胴体だけの彫像を指す言葉で、ロダン以降、人体の量感と肉付けを集中的に表現する題材とされてきたもの。本作品「カテドラル」では、正面に向かって胸を張る女性の裸体が、写実性をともなう柔らかな形体としてとらえられている。フランスに長く滞在し、近代彫刻の作家や古代の彫刻から感得したものを制作に生かしたという、高田の代表的な作品である。

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