呉須青絵八宝文平鉢
資料ID | 1731 |
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中分類 | 工芸 |
小分類 | 陶磁 |
コレクション分類 | 北出コレクション |
法量 | 口径38.7底径18.3高9.4 |
制作年 | 明末?(17世紀?) |
作者情報 | 明中期頃から中国南部の福建・広東の民窯で輸出用に量産された磁器を「呉須手」という。「呉須手」は「呉州手」とも書き、欧米では「スワトウ・ウェア」と呼ばれるが、これは製品を輸出した広東北方の港、汕頭(スワトウ)からきたものである。「呉須手」には赤絵、染付、青絵のほかに「餅花手(もちばなで)」と呼ばれる技法のものがある。これは、藍釉、褐釉、白釉の上に白泥で点描したもので、小正月の餅花飾りに似ていることからこう呼ばれる。日本で付けられた名称で、中国では「白花(はっか)」という。本作に見られるイッチン文様は、この「餅花手」と考えられる。「呉須手」の特徴は、素地が灰白色で、裏面にまでかけられた釉にむらがあり、また露胎の高台裏が焼成時に赤褐色となることがあげられる。また高台や底裏には窯で付着した砂粒が黒く残っている。 |
資料解説 | 見込みに四つの窓を設けて植物と風景を描き、その間隙に八宝を配した平鉢である。器体の裏面は白化粧をかけた無地であるが、荒い砂粒のついた高台の内側は赤茶色の素地がみえている。文様はすべて呉須で描かれたうえに青をのせているが、よく見ると白色の器体にはイッチンで文様があらかじめ描かれている。この文様は草花文で、イッチン描の装飾としてはしばしば見られるものであるが、この上に青が施されている例としてはめずらしいものである。 |