色絵紅葉鹿図向付

資料ID1571
中分類工芸
小分類陶磁
コレクション分類北出コレクション
法量1点 幅17.8奥行15.3高4.6
制作年江戸後期(19世紀)
作者名A吉田屋窯
作者情報吉田屋窯
 再興九谷の窯の一つ。再興九谷とは、江戸前期に加賀国江沼郡九谷村(現石川県江沼郡山中町九谷村)で焼かれていた古九谷の廃絶後、加賀で窯業を再興するために幕末に開かれた諸窯の総称である。そのうち、古九谷の窯跡地で古九谷の再興を目指したのが吉田屋窯で、大聖寺の豪商、豊田伝右衛門が開いた。吉田屋窯の生産した器種は多岐にわたり、絵付けは素地が灰色であることから、全般的にはそれらを覆い隠すように古九谷における「塗埋手」の手法を用いており、作品の色調が全体に一見青く見えることから青九谷と呼ばれている(古九谷の青手九谷とは区別される)。また、線描は古九谷に見られる骨描きよりも細く繊細で、運筆の速度と軽妙さを感じさせるのも特徴の一つである。
資料解説型押し成形で仕上げた紅葉形の器。地模様は見込み・周縁部の区別なく器内部全面に施されている。内部は青の二本の斜線で三つに区切られており、緑の氷裂文・植物文と呉須による細線が描かれ、地の半分は黄で大胆に塗り埋めてある。これらの模様を背景として、振り返る鹿が描かれている。器体裏は緑・黄の二彩で、独特の小さな葉状の模様があらわされる。高台内には二重角に「福」の銘が大きく記されている。

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