(資料群)辻A家 資料

資料群・作家名(ヨミ)つじAけしりょう

略歴・解説

本資料は高松市内町で平成9年11月3日に閉館した高松グランド松竹・高松グランド劇場で平成5年頃から上映された作品のポスター類である。
高松グランド劇場は昭和31年(1956)に開館した。これは、昭和20年代後半から30年代にかけて、大衆の娯楽として映画が全盛を極めていた時期の開館であった。香川県内の映画館数は昭和28年の67館から昭和37年に122館に増加し、また、小豆島を中心に撮影が行われた松竹映画「二十四の瞳」が昭和30年に公開されて、全国的なヒットを記録した。そして、昭和35年までに19本もの映画作品が香川県でロケを行うなど、香川の映画界も活況を呈していた。
昭和48年に高松グランド劇場は高松グランド松竹を分割開館し、2館制をとるようになった。昭和30年代のテレビの登場とその爆発的普及によって昭和40年代以降、特に邦画系映画が斜陽産業と呼ばれる中、両館は洋画系作品を中心に上映し、高松市中心部の中堅映画館として親しまれてきた。
施設の老朽化から平成6年に新装改築が予定されていたが、平成6年の郊外型複合映画館の進出に伴う観客数の減少や、新しい百貨店の進出や旧来からの百貨店の増床等に伴う高松市街中心部の変化が予想されたことから、改築を見送り、平成9年11月3日に閉館された。平成11年には高松に新しい複合映画館が開館し、その影響で、この年、高松グランド松竹・高松グランド劇場と同じ高松市街北部で最後まで営業を続けていたライオン館が閉館した。平成5・6年頃からの映画興行界の再編を物語る資料である。
(香川県歴史博物館『収蔵資料目録 平成10年度』より、一部修正し転載)

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