(資料群)香川県食糧事業協同組合 資料

資料群・作家名(ヨミ)かがわけんしょくりょうじぎょうきょうどうくみあいしりょう

略歴・解説

大嘗祭は天皇が取り行う祭祀の中で最も重要なもので、即位後初めて行う新嘗祭のことである。その際、あらかじめ選定された悠紀国・主基国から献上された新穀が使われる。大正天皇即位に伴う大嘗祭は大正4年(1915)に行われ、香川県が主基国に選定された。斎田は古くから米どころとして知られていた山田村(現綾川町)に置かれ、新穀の献納まで県を挙げてさまざまな準備に取り組んだ。この絵は、5月27日から29日にわたって行われた田植の様子を描いたものである。27日だけで3万人以上を超えたといわれる観衆の目を引きつけた、菅笠姿の早乙女や斎田の耕牛として選ばれた千代号の姿も描かれている。画面の右上には県農会が募集し、40曲余りから選定された主基斎田田植歌の歌詞が記されている。早乙女は、この歌を繰り返し歌いながら苗を植えていった。「刀水謹写之」という記載から、作者は高松市に弁護士事務所を開き、市会議員・県会議員を務めた川口刀水であると伝えられていた。しかし、川口刀水は田植式が行われる以前の大正4年3月4日に病死しており(『香川新報』大正4年3月5日記事)、絵の作者とは考えられない。現時点では「刀水」なる人物についての詳細は不明であり、今後の調査研究を期したい。
(香川県教育委員会『歴史博物館整備に伴う収蔵資料目録 平成9年度』より、一部修正し転載)

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