(資料群)個人寄贈B 資料

資料群・作家名(ヨミ)こじんきぞうBしりょう

略歴・解説

これらの刀・脇指は、いつの時点で香川県に入ったか確認はできないが、美術工芸品として寄贈者が永く楽しまれてきたものである。
作者の一竿子忠綱は、近江守忠綱の子であり二代目忠綱となった人物である。鎌倉時代の刀工一派で知られる京都東山区の地名「粟田口」を冠するものの、寛文12年(1672)頃から享保12年(1727)頃に大坂で作刀したことが知られる刀工である。彫刻の名手であり、該作品でも「剣巻龍」「玉追い龍」等が彫られている。刀・脇指と揃っているが、銘や彫からセットではないことが知られる。
刀のほうの刀身については、水滴を落したような特徴的なにえがあり、掟どおりの大変良い作品である。また銘も「一竿子」の「子」字の特徴が良く出ている。
脇指は、この作品のように年紀が無い場合に銘「粟田口一竿子忠綱彫同作」のうち「彫同作」の部分を裏に刻むことが多いが、この作品では表一行書で「彫同作」の部分が小さくなってしまっており、彫りの深さも浅く刀に比較すると弱い印象を与える。しかし、両面の「龍」の彫りには勢いがあり、一竿子の特徴が出ている作品である。なお、刀身に「大正9年6月吉日三好利光研之」の文字がある。
(香川県教育委員会『歴史博物館整備に伴う収蔵資料目録 平成8年度』より、一部修正し転載)

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