(資料群)万野家 資料

資料群・作家名(ヨミ)まんのけしりょう

略歴・解説

本資料は、高松市松嶋町で使われた農具である。ミズグルマは「踏みぐるま」とも呼ばれ、通常、川から水田に水を入れるのに使われたものである。発動機を使ったバーチカルポンプなどに取って替わられるまで、戦前を中心に使われた。このミズグルマには「松嶋岩崎式」「松嶋車屋重太郎」などの焼印・墨書があり、地元松嶋でつくられたことがわかる。唐箕にも「松嶋今橋…」などの墨書があり、地元の製品であることがわかる。松嶋は、高松から志度方面に通じる街道に面して発達した街であり、仙場川(玉川)に架かる今橋から御坊川に架かる千代橋までの七丁を含む十丁は「松嶋十丁」とも呼ばれ非常に賑わったという。昭和初期には、80種200軒に及ぶ店が建ち並び、農具や苗物、日常雑貨まで、何でも揃う町並みであったという。
なお、牛鍬も高松の製品であり、「香川県高松篠原式鉄犂」とある。また千歯の一つは「伯耆国倉吉」の製品である。これらの資料は今後、近代香川における農具の流通を考えていく上での基礎資料の一つとなるであろう。
(香川県教育委員会『歴史博物館整備に伴う収蔵資料目録 平成8年度』より、一部修正し転載)

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