(資料群)福井家 資料(2)

資料群・作家名(ヨミ)ふくいけしりょう(2)

略歴・解説

本資料には、旧石器時代の遺跡として著名な国分台遺跡群の出土資料や、烏帽子山遺跡出土資料等が含まれている。
国分台遺跡群は、香川県を代表する旧石器時代の遺跡であり、その分布範囲は広大な面積を占める。遺跡全体としては、地点によりその特色があると考えられるが、その大半がナイフ型石器の製作を行なっていた時代に限られると考えられる。本資料は、こうしたナイフ型石器製作にかかわる剥片及び石核が大半を占めている。国分台遺跡については、まだまだ不明な点も多いが、こうした貴重な資料を丹念に検討し、徐々にその性格や広がりを明らかにしていきたい。
また烏帽子山遺跡は、坂出市加茂町烏帽子山(標高265m)の山腹に所在する弥生時代中期後半~末の遺跡で、山腹にも関わらず土器・石器・獣骨はもちろんのこと、魚骨・貝殻・石錘など海浜部に多く見られる資料が出土しており、高地性集落の性格を考える上で貴重な資料として注目されているものである。
高地性集落は、一般的には平野部や丘陵部に位置する通常の集落に比べて、生産部分が欠落する傾向にあり、弥生時代の緊張状況に伴う「見張り」や「逃げ城」的な性格を持った集落と想定されており、高地性集落を維持していくために必要な母集落の存在が指摘されている。
しかし、本資料に見られる魚骨・貝殻・石錘等からして、単に食料の自給的貯蔵のみならず、海浜部での食料調達といった生活の一端を物語っている可能性もあり、注目される遺跡の一つであり、採石により遺跡の大半が消滅している現在、本資料の持つ価値は非常に高いといえる。
(香川県教育委員会『歴史博物館整備に伴う収蔵資料目録 平成8年度』より、一部修正し転載)

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