(資料群)名部戸自治会 資料

資料群・作家名(ヨミ)なぶとじちかいしりょう

略歴・解説

三豊市詫間町大字大浜字名部戸は約60軒の自治会である。本資料は、昭和43年に新調された土葬用の輿とそれに伴う葬列に使った花籠・龍頭・腰折・手燭・4本旗・天蓋などである。名部戸自治会は、約20軒ずつの3つの常会から成っているが、いわゆる葬式組(コウジュウ:講中)は15,6軒ずつの5組で構成されている。この地域はいわゆる両墓互接型を呈しており、昭和53,4年頃まではまだ土葬が一般的であり、この輿は座棺用につくられている『葬儀用輿台帳』によれば、
一、本輿は当部落民にて左記人員の出資により購入する。
一、出資は一戸当り金五千円とし、出資金は昭和四十三年度より同四十四年度のニケ年内に出資完納するものとする。
一、本輿は原則として出資者のみ使用する。但し部外に対しては当時の役員協議の上使用料を定め貸付する事も出来得る。
一、使用料は一回金壱千円とする。但し使用料は時代の変化により変更する事が出来る。
とある。しかし結局、この輿は新調されたものの火葬の普及とそれに伴う野辺送りの簡略化によってあまり使われなくなり、昭和60年を最後に使用されなくなった。近年の生活習慣の変化を如実にあらわす資料の一つである。
(香川県教育委員会『歴史博物館整備に伴う収蔵資料目録 平成7年度』より、一部修正し転載)

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