ひとめ・ひとごと
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | ひとめ・ひとごと;人目・人言 |
+表記 | 人目・人言 |
Title | Hitome / Hitogoto |
テキスト内容 | 人目は他人の監視、人言は他人の噂。万葉集では恋歌に多く見られる。本来は村を余所者や犯罪あるいは秩序を乱す者から守るために張り巡らされた監視体制であったものと思われるが、男女関係を監視するものとして最も関心がもたれた。これは恋歌が積極的に人目・人言を詠むことでいかに困難な恋かを訴えると同時に、それにもまして相手がこの困難な恋に応じるかを試す方法でもある。例えば、「うつせみの人目を繁み石橋の間近き君に恋ひ渡るかも」(4-597)では、彼がすぐ近くに住みながらも人目を憚り逢えないのだと嘆き、「わが背子し遂げむといはば人言は繁くありとも出でて逢はましを」(4-539)では、人妻である女性が男から「添い遂げよう」というなら人の噂に立っても構わないから、あなたの元に走るという。これらは、恋がさまざまなタブーの中にあることを示し、それでも一線を越えてでも逢うことを願う歌であり、監視され噂に立つことが、自由な恋を恋人たちに促したのである。 |
+執筆者 | 辰巳正明 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 32450 |
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