若菜
わかな
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | わかな;若菜 |
+表記 | 若菜 |
Title | Wakana |
テキスト内容 | 春菜。ワカは生命の芽吹く様を示し、ワカを関する植物は、聖地に生え、神の出現を示す聖なる木・植物をいう。11-2838以外、春の若菜摘みの様子を描く。若菜摘みは、春先の薬草を摘み、その霊力を身につけ邪気を払い、無病息災を願う行事。その旺盛な生命力を感じ、魂ふりするもの。朝廷の「標野」(神の領域)等で行われる儀礼である(8-1427)。儀礼化にあたっては中国の節供儀礼が元と考えられ(『礼記』)、日本では1-20の歌等から、天智朝にはすでに国家儀礼として定着していたことが窺える。1-1は、春のはじめに天つ神の御子たる天皇が、聖なる山に降臨して国見を行い、野に降りて萌えいづる大地の精である若菜をつむ聖なる少女に求婚し、大地の豊かなみのりを約束させる儀礼として解釈される。また、「其地(そこ)の菘菜(あをな)を採(つ)む時に、天皇其の孃子(をとめ)の菘を採める処に到り坐して歌曰(うた)ひたまひしく」(仁徳記)と歌垣的な要素も含まれるが、若菜の共食は、成女戒を受ける行事とも(10-1879)。若菜摘みは、春先の植物の芽吹く時期の他(17-3969)、まだ雪の降る時期(8-1427)もあったようである。なお、京都の北野天満宮や八坂神社等では七草の節供に「若菜祭」が行われる。 |
+執筆者 | 毛利美穂 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 32419 |
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