テキスト内容 | 「斎(ゆ)」を重ねて、神聖な様や恐れ多い様を形容する語。雄略記の歌謡に「いつ白樫がもと白樫がもと忌々しきかも白樫をとめ」とあるように、神に仕える者を形容する語であり、「かけまくも あやに恐く 言はまくも ゆゆしくあらむと」(6-948ほか)の常套表現の存在が示すように、直接神に関わらないまでも、忌み慎まれるものに対する恐れを言った。こうした畏れや慎みを「言に出でて言はばゆゆしみ山川の激(たぎ)つ心を塞(せ)かへたりけり」(11-2432)のように、押さえきれない恋心を言葉にしてしまったことをいう表現として用い、さらには、「ひとり寝て絶えにし紐をゆゆしみとせむすべ知らに音のみしそ泣く」(4-515)のように、絶えるはずのない紐が絶えてしまったことの不吉さを嘆く表現ともしている。本来、神聖なものに対する、恐れを示す表現であった「ゆゆし」の語が、その恐れから来る不吉さまでも表現することに拡大解釈されていった様がうかがえる。→<a href="http://k-amc.kokugakuin.ac.jp/DM/detail.do?class_name=col_dsg&data_id=68284">いむ〔忌む〕</a> |
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