やまびこ

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名やまびこ;山彦
+表記山彦
TitleYamabiko
テキスト内容こだま。声や音の反響が、山の神の応答と考えた。後に「こだま」といい木霊と考えられたのは、山彦が山の神であったからである。高橋虫麿の歌に「山彦の 応へむ極み 谷蟇の さ渡る極み」(6-971)と見える。この山彦は山の神であり、その山彦が応えるのは地の果てからであり、また谷蟇は蛙神であり、その行き着く所は地の果てである。山で大声を出して叫ぶと反響が返って来ることから、山の向こうからも誰かが叫んでいると考えたので「山に住む彦神」、すなわち山彦と呼んだのであろう。このような山彦が風流へと受け継がれると「筑波嶺にわが行けりせば霍公鳥山彦響め鳴かましやそれ」(8-1497)、「秋萩の 妻を枕かむと 朝月夜 明けまく惜しみ あしひきの 山彦とよめ 呼び立て鳴くも」(9-1761)のように、鳥や鹿の鳴き声が山彦として反響する様子を、風雅なものに感じて聞くのようになるのである。
+執筆者辰巳正明
-68948402009/07/06hoshino.seiji00DSG000774やまびこ;山彦Yamabikoこだま。声や音の反響が、山の神の応答と考えた。後に「こだま」といい木霊と考えられたのは、山彦が山の神であったからである。高橋虫麿の歌に「山彦の 応へむ極み 谷蟇の さ渡る極み」(6-971)と見える。この山彦は山の神であり、その山彦が応えるのは地の果てからであり、また谷蟇は蛙神であり、その行き着く所は地の果てである。山で大声を出して叫ぶと反響が返って来ることから、山の向こうからも誰かが叫んでいると考えたので「山に住む彦神」、すなわち山彦と呼んだのであろう。このような山彦が風流へと受け継がれると「筑波嶺にわが行けりせば霍公鳥山彦響め鳴かましやそれ」(8-1497)、「秋萩の 妻を枕かむと 朝月夜 明けまく惜しみ あしひきの 山彦とよめ 呼び立て鳴くも」(9-1761)のように、鳥や鹿の鳴き声が山彦として反響する様子を、風雅なものに感じて聞くのようになるのである。775やまびこ山彦辰巳正明や1
資料ID32384

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