やくもさす

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名やくもさす;八雲刺す
+項目名(旧かな)
+表記八雲刺す
TitleYakumosasu
テキスト内容出雲に掛かる枕詞。「八雲刺す出雲(八雲刺出雲)の子らが黒髪は吉野の川の沖になづさふ」(3-430)と見える。これは溺死した出雲の娘子を吉野に火葬した時に、柿本人麿の詠んだ2首の歌の1首である。記神代に「夜久毛多都伊豆毛夜幣賀岐(やくもたついづもやへがき)」の歌があり、出雲に掛かる枕詞として「八雲立つ」が存在する。また同じく景行記に「夜都米佐須伊豆毛多祁流賀(やつめさすいづもたけるが)」とあり、出雲に掛かる枕詞は、①ヤクモタツ、②ヤツメサス、③ヤクモサスが存在する。②③は①からの転と考えられているが、①は雲がもくもくと立ち上ることで、出雲の土地を賛美する呪的表現であると理解できるが、②③はサスに特徴がある。ヤツメは崇神紀に「(たまも)鎮石出雲人祭」の例から、八藻で多くの藻の意とする説もある(『時代別国語大辞典』)。サスはアカネサス(茜色が満ちる)、ウチヒサス(太陽が満ちる)、アサヒサス(朝日が満ちる)などの系列に入る枕詞らしく、その系列から見るとヤツメサスは、ヤツメ(多くの玉藻)が充足している出雲であり、ヤクモサスはもくもくと立ち上がる雲が空に充足している様と思われる。ヤクモサスは、溺死した出雲の女性への呪詞として人麿によって創造された枕詞であり、雲の活動する霊気(生命力)をもって女性の死(荒ぶる霊魂)と対置させ、不幸な死を遂げた女性の霊魂を鎮魂する言葉であったと思われる。
+執筆者辰巳正明
+参考文献
-68932402009/07/06hoshino.seiji00DSG000758やくもさす;八雲刺すYakumosasu出雲に掛かる枕詞。「八雲刺す出雲(八雲刺出雲)の子らが黒髪は吉野の川の沖になづさふ」(3-430)と見える。これは溺死した出雲の娘子を吉野に火葬した時に、柿本人麿の詠んだ2首の歌の1首である。記神代に「夜久毛多都伊豆毛夜幣賀岐(やくもたついづもやへがき)」の歌があり、出雲に掛かる枕詞として「八雲立つ」が存在する。また同じく景行記に「夜都米佐須伊豆毛多祁流賀(やつめさすいづもたけるが)」とあり、出雲に掛かる枕詞は、①ヤクモタツ、②ヤツメサス、③ヤクモサスが存在する。②③は①からの転と考えられているが、①は雲がもくもくと立ち上ることで、出雲の土地を賛美する呪的表現であると理解できるが、②③はサスに特徴がある。ヤツメは崇神紀に「(たまも)鎮石出雲人祭」の例から、八藻で多くの藻の意とする説もある(『時代別国語大辞典』)。サスはアカネサス(茜色が満ちる)、ウチヒサス(太陽が満ちる)、アサヒサス(朝日が満ちる)などの系列に入る枕詞らしく、その系列から見るとヤツメサスは、ヤツメ(多くの玉藻)が充足している出雲であり、ヤクモサスはもくもくと立ち上がる雲が空に充足している様と思われる。ヤクモサスは、溺死した出雲の女性への呪詞として人麿によって創造された枕詞であり、雲の活動する霊気(生命力)をもって女性の死(荒ぶる霊魂)と対置させ、不幸な死を遂げた女性の霊魂を鎮魂する言葉であったと思われる。759やくもさす八雲刺す辰巳正明や1

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