またまつく

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名またまつく;真珠つく
+表記真珠つく
TitleMatamatsuku
テキスト内容玉をつける緒の意で、ヲにかかる枕詞。「マ」はタマに冠せられる接頭語で、完全な様、純粋で美しい様をさす。万葉集には、「ま玉つくをちこち兼ねて言(こと)は言へど逢ひて後こそ悔いにはありといへ」(4-674)とか、「ま玉つくをちこち兼ねて結びつる我が下紐の解くる日あらめや」(12-2973)など、あちらとこちら、つまり未来と現在を表わす語について、その際に発した言葉や、紐を結ぶ行為が生半可な行為ではない様を詠う。また、「ま玉つく越の菅原我が刈らず人の刈らまく惜しき菅原」(7-1341)といい、完璧なまでに美しい女性を象徴する一連の語として表現されている。こうした表現の根底には、例えば出雲風土記神門郡朝山郷の条に神魂(かむむすび)の命の御子の名として「真玉着玉(またまつくたま)の邑日女(むらひめ)の命」の名がみえ、この神名が玉(魂)の寄りつく様を意味していることから、「真珠つく」の語は本来、玉(魂)の寄りついたという意がこめられていたと考えられよう。従って、その言を冠する女性は手を出すことのできないほどの女性であり、様々な行為には真剣さが加味されるのである。
+執筆者城﨑陽子
コンテンツ権利区分CC BY-NC
資料ID32306
-68870402009/07/06hoshino.seiji00DSG000696またまつく;真珠つくMatamatsuku玉をつける緒の意で、ヲにかかる枕詞。「マ」はタマに冠せられる接頭語で、完全な様、純粋で美しい様をさす。万葉集には、「ま玉つくをちこち兼ねて言(こと)は言へど逢ひて後こそ悔いにはありといへ」(4-674)とか、「ま玉つくをちこち兼ねて結びつる我が下紐の解くる日あらめや」(12-2973)など、あちらとこちら、つまり未来と現在を表わす語について、その際に発した言葉や、紐を結ぶ行為が生半可な行為ではない様を詠う。また、「ま玉つく越の菅原我が刈らず人の刈らまく惜しき菅原」(7-1341)といい、完璧なまでに美しい女性を象徴する一連の語として表現されている。こうした表現の根底には、例えば出雲風土記神門郡朝山郷の条に神魂(かむむすび)の命の御子の名として「真玉着玉(またまつくたま)の邑日女(むらひめ)の命」の名がみえ、この神名が玉(魂)の寄りつく様を意味していることから、「真珠つく」の語は本来、玉(魂)の寄りついたという意がこめられていたと考えられよう。従って、その言を冠する女性は手を出すことのできないほどの女性であり、様々な行為には真剣さが加味されるのである。697またまつく真珠つく城﨑陽子ま1

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