はなひ
| 大分類 | 万葉神事語辞典 |
|---|---|
| 分野分類 CB | 文学 |
| 文化財分類 CB | 学術データベース |
| 資料形式 CB | テキストデータベース |
| +項目名 | はなひ;鼻ひ |
| +表記 | 鼻ひ |
| Title | Hanahi |
| テキスト内容 | 「鼻ひつ」の略。ひつは濡れてびしょびしょになること。鼻ひつは鼻水が垂れることで、その原因はくしゃみにより、鼻ひはくしゃみの意となる。万葉集には「うち鼻に、鼻をそひつる」(11-2637)とあり、くしゃみが何度もでるので、恋人が自分のことを思ってくれているらしい、という歌がある。上代においてくしゃみが出ることは、恋人に思われているときや、恋人が逢いに来る前兆であると考えられていた。こうした俗信はほかに、眉がかゆくなるのは恋人に思われている、下紐が解ければ相手に逢える、といったものがあり、これらを合わせた「眉根掻き 鼻ひ紐解け」た状態で、恋人である男性のおとずれを待っている女性がよまれた歌がある(11-2408、2808、2809)。彼女はこのように私のおとずれを待っていることを表わすと同時に、私がこんなにも逢いたいと思っているので、彼女の身に恋の前兆がたくさん現れているのだ、という歌である。現代でも俗にくしゃみが出ることは、人に噂されているからだというが、万葉集の時代にあっては恋の俗信であったことが知られる。 |
| +執筆者 | 渡邊明子 |
| コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
| 資料ID | 32235 |
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