満月
つき
大分類 | 万葉神事語辞典 |
---|---|
分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | つき;月 |
+表記 | 月 |
Title | Tsuki |
テキスト内容 | ①年月。②空に照る地球の衛星。①は「年月もいまだ経なくに明日香川瀬々ゆ渡しし石走もなし」(7-1126)、「玉の緒の現し心や年月の行き変はるまで妹に逢はざらむ」(11-2792)のように見える。②は「熟田津に舟乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」(1-8)、「東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ」(1-48)のように詠まれる。記紀神話によれば、月はイザナギの命の右目から生まれたといわれ、月読の命と呼ばれた。それで「月読の光に来ませ」(4-670)、「月読の光は清く」(4-671)のようにも詠まれている。また、月は人を思い出す縁ともなり、海辺で月を望んで「秋風は日に異に吹きぬ我妹子はいつとか我を斎ひ待つらむ」(15-3659)と詠まれ、あるいは「海辺に月を望みて作る」(15-3659題詞)とありながらも月が詠まれないのは、故郷に残してきた妻や妹を月に託して詠んだことが知られる。また、月に関する伝説があったらしく、「天なる ささらの小野の 七ふ菅 手に取り持ちて ひさかたの 天の川原に 出で立ちて みそぎてましを」(3-420)や、「山のはのささらえをとこ天の原門渡る光見らくし良しも」(6-983)のような不思議を詠む歌がある。月に蛙が住むとは中国の神話であるが、古代日本では月にササラの小野があり、ササラエ男が住んでいるという。 |
+執筆者 | 辰巳正明 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 32148 |
- |