だんおち
大分類 | 万葉神事語辞典 |
---|---|
分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | だんおち;だにをち;壇越 |
+項目名(旧かな) | だにをち |
+表記 | 壇越 |
Title | Danochi |
テキスト内容 | 梵語Dana-patiの訳語で、施主の意。本来、「檀」は修法に際し、仏や菩薩を安置した所に据え、供物や供具を並べるための台をいう。転じて「ほどこし」を意味する語となった。「越」は、ほどこしをすることによって生死の海を越える意をもつ。万葉集には「僧(ほふし)を戯り嗤(わら)ふ歌一首」(16-3846)の報歌に、「檀越や然もな言ひそ里長が課役徴(くわやくはた)らば汝(いまし)も泣かむ」(16-3874)とある。これは、人にからかわれた僧が、やり返した歌である。「里長」は『律令』の戸令に「五十戸を以て里と為よ。里毎に長一人置け」と定められており、その職掌には「戸口を検校(けむげう)し、農桑を課(おほ)せ殖(う)ゑしめむこと、非違を禁め察む、賦役(ふやく)を催し駈(つか)はむこと」などがあった。歌表現にある「課役徴らば」は「課役を徴収に来たら」の意で、僧侶をからかった者に対して、当時、課役の対象外であった僧が、その泣きどころを衝いて言い返しているのである。この場合「檀越」とはいっても、これも俗人をからかった物言いととらえるべきであろう。 |
+執筆者 | 城﨑陽子 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 32135 |
- |