たのむ
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | たのむ;憑む |
+表記 | 憑む |
Title | Tanomu |
テキスト内容 | 頼みに思う。舒明紀に「畝傍山木立薄けど頼みかも(多能弥介茂)」とあり(紀歌謡)、動詞の連用形に「かも」が接続している点には疑問が残ろうが、文意からは「頼みに思ってであろう」の意と考えて良かろう。万葉集では、「日並皇子尊の殯宮の時に、柿本朝臣人麿の作れる歌」(2-167)では、日並皇子尊(草壁皇子)が天下を治めたならば、天下の全ての人は、「大船の思ひ憑みて」と、大船のように頼みに思ってという。一方、想う対象に対して用いる場合は、「たのめりし児にはあれど」(2-210)と、死別した妻を憑む例や、家持が亡くなった妻を「千歳のごとく憑みたりけり」(3-470)と、永遠に生きるかのように憑んでいたという表現など、相手の永遠性を願うと同時に、亡くなった相手の失われた命を嘆く歌に多く用いられる。また、浜に生える蔦が長く延びることを用いて、末永く「汝をたのみ」(14-3360)と見え、これも永遠性を願う想いが込められた語であると考えられる。 |
+執筆者 | 坂根誠 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 32109 |
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