ただま
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | ただま;手玉 |
+表記 | 手玉 |
Title | Tadama |
テキスト内容 | 手に巻いて飾りとする玉。紀の神代下で、磐長姫と木花開耶姫を「手玉も玲瓏に、織経少女」と表現する際に用いられる。火瓊瓊杵尊(迩々芸命)の木花開耶姫(木花之佐久夜毘売)との婚姻は記紀共に見え、天皇の寿命起源譚であると共に、山の神である大山祇神(大山津見神)の力を皇統に付与する意義も有しており、磐長姫と木花開耶姫が呪物の手玉を巻く姿は、神聖性を表すものと考えられる。万葉集では、七夕歌に織女の形容として「足玉も手珠もゆらに」(10-2065)とあり、これも紀の例と同様に、機を織る女性の装束とみられるが、同時に天人の装束としての神聖性も意味していると考えられる。機を織る女性は記6番歌謡などから、来臨する神を待ち受ける「水の女」の伝承との関わりも論じられており、機を織る女性の装束としての手玉は、紀の例とも併せて考えると、巫女の姿と考えられる。万葉集には「新室を踏み鎮む児し手玉を鳴すも玉のごと照りたる君を内にと申せ」(11-2352)と見え、新築の折りに、手玉を鳴らしながら舞を踊る巫女の様子が描かれており、新室の家の霊を鎮める神事であると考えられる。 |
+執筆者 | 坂根誠 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 32099 |
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