そき
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | そき;極・退・遠 |
+表記 | 極・退・遠 |
Title | Soki |
テキスト内容 | ソクの名詞形。「そきえ」「そくえ」ともいう。離れた所、果てなる地、隔たったあたりをいう。「葦屋処女の墓を過ぎし時に作れる歌」(9-1801)は「玉鉾の 道の辺近く 磐構へ 作れる塚を 天雲の そくへの限り この道を 行く人ごとに 行き寄りて い立ち嘆かひ」と天雲の流れる果ての人までもこの葦屋処女の話を知っており、塚に立ち寄り嘆くのだと使用している。ここでは「そくへ」が漠然としているが、虫麻呂が宇合の旅の様子を詠んだ「賊守る筑紫に至り山のそき野のそき見よと伴の部を班ち遣はし」(6-971)では筑紫に限定している。これは筑紫の境界、また敵地と接する境界である筑紫という意で使われており、丹生女王が大宰師大伴旅人に贈った歌「天雲のそくへの極み遠けども心し行けば恋ふるものかも」(4-553)で筑紫を、「天雲のそくへの極み」として捉えることと共通する意識であろう。また、石田王の亡くなった時に丹生王の詠んだ「天雲の そくへの極み 天地の 至れるまでに 杖つきも つかずも行きて 夕占問ひ 石占もちて」(3-420)では、夕占や石占をする場所として詠まれている。そこは場所の境だからである。 |
+執筆者 | 荒木優也 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 32078 |
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