しらぬい

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名しらぬい;しらぬひ
+項目名(旧かな)しらぬひ
TitleShiranui
テキスト内容万葉集に3例。「筑紫」にかかる枕詞。語義・かかり方は未詳。「領(し)らぬ霊(ひ)憑く」、大和から遠いので「知らぬ日尽す」などの意とも説かれる。景行紀に肥国の地名起源説話として、天皇九州巡幸の折、日が暮れて対岸が見えなかった時に正体不明の火を頼りにようやく着岸できたとある。これと類似した記事が、肥前国風土記にも見られるが、これらの記事や夏の夜に八代海や有明海に現れる燐光の自然現象と結びつけて「不知火」の用字が当てられることがある。しかし、シラヌヒの「ヒ」は甲類、「火」は乙類のため上代特殊仮名遣に不適当である。この解釈は、中世・近世には広く行われていた。語源は定説を見ない。万葉集の用例はすべて大宰府と関連している。「しらぬひ筑紫の綿は身に着けていまだは着ねど暖けく見ゆ」(3-336)「大君の 遠の朝廷と しらぬひ 筑紫の国に 泣く子なす 慕ひ来まして」(5-794)「大君の 遠の朝廷と しらぬひ 筑紫の国は 敵守る おさへの城そと」(20-4331)のように見える。
+執筆者渡辺卓
-68612402009/07/06hoshino.seiji00DSG000438しらぬい;しらぬひShiranui 万葉集に3例。「筑紫」にかかる枕詞。語義・かかり方は未詳。「領(し)らぬ霊(ひ)憑く」、大和から遠いので「知らぬ日尽す」などの意とも説かれる。景行紀に肥国の地名起源説話として、天皇九州巡幸の折、日が暮れて対岸が見えなかった時に正体不明の火を頼りにようやく着岸できたとある。これと類似した記事が、肥前国風土記にも見られるが、これらの記事や夏の夜に八代海や有明海に現れる燐光の自然現象と結びつけて「不知火」の用字が当てられることがある。しかし、シラヌヒの「ヒ」は甲類、「火」は乙類のため上代特殊仮名遣に不適当である。この解釈は、中世・近世には広く行われていた。語源は定説を見ない。万葉集の用例はすべて大宰府と関連している。「しらぬひ筑紫の綿は身に着けていまだは着ねど暖けく見ゆ」(3-336)「大君の 遠の朝廷と しらぬひ 筑紫の国に 泣く子なす 慕ひ来まして」(5-794)「大君の 遠の朝廷と しらぬひ 筑紫の国は 敵守る おさへの城そと」(20-4331)のように見える。439しらぬいしらぬひ渡辺卓し1
資料ID32048

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