したごろも

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名したごろも;下衣
+表記下衣
TitleSitagoromo
テキスト内容下に着る衣。下着。再び会うことのしるしとして恋人に自分の下着を贈る習慣があった。中臣宅守と娘子の贈答の中で、娘子が「白たへの我が下衣失はず持てれ我が背子直に逢ふまでに」(15-3751)と、直接会うまでは私の下衣を大切にしていて下さいと願って詠っている。下衣の交換は、呪術的な愛情表現であった。同じ娘子による3751の類歌に「白たへの我が衣手を取り持ちて斎へ我が背子直に逢ふまでに」(15-3778)があるが、そこでは、衣を手にとって潔斎して再会を祈れといっている。下衣の交換は、深い愛情表現であったとともに、神への祈りが込められていたといえる。また下衣は、寵愛を受けていた娘子が愛が薄らいだ後に相手から形見の品を返されて、「我が下衣返し賜はめ」(16-3809)と怨みの中で詠われており、交換することは特別な愛情の表れであった。また「橘の島にし居れば川遠みさらさず縫ひし我が下衣」(7-1315)のように、下衣を交換することが秘かに行われることもあった。
+執筆者渡辺卓
-68594402009/07/06hoshino.seiji00DSG000420したごろも;下衣Sitagoromo下に着る衣。下着。再び会うことのしるしとして恋人に自分の下着を贈る習慣があった。中臣宅守と娘子の贈答の中で、娘子が「白たへの我が下衣失はず持てれ我が背子直に逢ふまでに」(15-3751)と、直接会うまでは私の下衣を大切にしていて下さいと願って詠っている。下衣の交換は、呪術的な愛情表現であった。同じ娘子による3751の類歌に「白たへの我が衣手を取り持ちて斎へ我が背子直に逢ふまでに」(15-3778)があるが、そこでは、衣を手にとって潔斎して再会を祈れといっている。下衣の交換は、深い愛情表現であったとともに、神への祈りが込められていたといえる。また下衣は、寵愛を受けていた娘子が愛が薄らいだ後に相手から形見の品を返されて、「我が下衣返し賜はめ」(16-3809)と怨みの中で詠われており、交換することは特別な愛情の表れであった。また「橘の島にし居れば川遠みさらさず縫ひし我が下衣」(7-1315)のように、下衣を交換することが秘かに行われることもあった。421したごろも下衣渡辺卓し1
資料ID32030

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