しかばね
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | しかばね;屍 |
+表記 | 屍 |
Title | Shikabane |
テキスト内容 | かばね。死体。主に挽歌や行路死人歌の題詞および左注において遺骸をいう。挽歌としては、2-165題詞に「大津皇子の屍」を葛城の二上山に移葬した時に大来皇女が哀傷して歌ったとあり、また3-461左注には、新羅の尼・理願が病死したとき、主人の石川命婦が不在であったため大伴坂上郎女が「屍柩」を葬り、歌を作って命婦のもとへ送ったという作歌次第が記される。一方行路死人歌にみられるのは、「嬢子の屍」(2-228題詞)「香具山の屍」(3-426題詞)「美人の屍」(3-434題詞)「娘子の屍」(4-437左注)「屍」(13-3339題詞)など名もない遺骸である。これらの死者の鎮魂のために歌が詠まれた。また、歌に「屍」が詠み込まれるのは「陸奥国より金を出せる詔書を賀(ほ)ける歌」(20-4094)に「大伴の 遠つ神祖の その名をば 大来目主と 負ひ持ちて 仕へし官 海行かば 水浸く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ」とあるのみであり、死をも厭わず朝廷に仕える勇敢な大伴氏の姿が表現される。「屍」は生前のありかたを歌に想像させるものであった。 |
+執筆者 | 舟木勇治 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 32024 |
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