鹿
しか
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | しか;鹿 |
+表記 | 鹿 |
Title | Shika |
テキスト内容 | 哺乳類ウシ目シカ科。万葉集では、妻を呼んで鳴く鹿の声が多く歌われる他、秋萩との取り合わせで秋の雑歌に多く詠み込まれる。また、鹿が膝を折って伏せる様子(10-2267、2268、12-3099等)から、「大伴坂上郎女の神を祭るの歌」(3-379)に、「鹿猪じもの(十六自物)膝折り伏し」とあるように、神に祈る姿の譬喩としても詠まれる。さらに16-3884番歌に、伊夜彦神の山の麓に今日も鹿が伏しているのだろうか、皮の衣を着て、角のついたままで、と歌われ、祭りの場で鹿皮を纏い、角をつけて、鹿に擬したことがあったことがわかる。応神紀13年9月一云条にも日向の諸県君牛らが角のついた鹿の皮を衣服として、天皇の船に従ったという記述がみられる。記紀の景行天皇条では坂の神の化身として現れることから、鹿皮を被ることは、神と一体となることであったか。その他、記の天石屋戸条には鹿の肩の骨を焼いて占いをおこなう記述があり、神代紀第七段一書第一の当該条にも鹿の皮で天羽韛(あまのはふき)を作り、これを用いて鏡を作ったことが記される。祭祀の供物として鹿皮が供えられることは『延喜式』に多く記載されており、神と人を結ぶ動物として鹿は重要な位置を占めていたことが窺える。 |
+執筆者 | 舟木勇治 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 32023 |
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