テキスト内容 | ①障害となる樹木。②佐伯氏。①は「軽皇子の安騎の野に宿りましし時に、柿本朝臣人麿の作れる歌」(1-45)に、高照らす日の御子が神としてお治めになる京を後にして、隠り国の泊瀬の山の荒々しい山道を、険しい岩石や邪魔な樹木(禁樹)を押し分け靡かせて云々と歌われる。「さへ」は塞への意。②は「陸奥国より金を出せる詔書を賀(ほ)ける歌一首并せて短歌」に、「大伴と 佐伯の氏は 人の祖の 立つる言立て 人の子は 祖の名絶たず 大君に 奉仕(まつろ)ふものと 言ひ継げる 言の官そ」(18-4049)とあり、大伴氏と佐伯氏は祖先の言の通りに絶えず大君に仕えてきたという。『新撰姓氏録』によれば、大伴が佐伯を分派したという。また景行紀51年8月条によれば、日本武尊による東征の際に連れてきた蝦夷は伊勢神宮に献上されていたが、昼夜騒ぎ礼を知らなかったので朝廷に進上され、後に播磨・讃岐・伊豫・安芸・阿波の五国に配置された。これらが佐伯部の祖であるという。もと蝦夷であったことから「さへき」(障へき)とされたとする説がある。<a href="http://k-amc.kokugakuin.ac.jp/DM/detail.do?class_name=col_dsg&data_id=68461">かむさぶ〔神さぶ〕</a> |
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