さかゆ

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名さかゆ;栄ゆ
+表記栄ゆ
TitleSakayu
テキスト内容植物が繁茂する。人や物事が繁栄する。雄略記に「立ち栄ゆる葉広熊檮」とあるが、「栄ゆ」は、樫などの生命力の強い植物に対して用いられる傾向がある。万葉集にも、松柏のように変わらないでいて欲しいという歌(19-4169)がある。人や物事の繁栄を詠む歌には、「天皇の民である私は、天地の栄えるこの時代に生まれたことを感謝します」(6-699)など、天皇やその御代の繁栄を詠む歌が多い。また、挽歌では、安積皇子挽歌(3-475)で、久邇の都が日増しに繁栄していく様子から、一転して、皇子の突然の死が語られるように、生前の皇子や天皇の繁栄を回想する箇所で用いられている。さらに、桜の花が美しく咲く様子を「栄ゆ」と表現し、巻13の人麻呂歌集の歌(13-3309)では、「つつじ花にほえ娘子桜花栄え娘子」と、女性の美しさの形容として用いている。人や出来事の輝かしさの表現は、豊かな生命力をまとった植物の様子から生み出されていったのである。
+執筆者倉住薫
-68553402009/07/06hoshino.seiji00DSG000379さかゆ;栄ゆSakayu植物が繁茂する。人や物事が繁栄する。雄略記に「立ち栄ゆる葉広熊檮」とあるが、「栄ゆ」は、樫などの生命力の強い植物に対して用いられる傾向がある。万葉集にも、松柏のように変わらないでいて欲しいという歌(19-4169)がある。人や物事の繁栄を詠む歌には、「天皇の民である私は、天地の栄えるこの時代に生まれたことを感謝します」(6-699)など、天皇やその御代の繁栄を詠む歌が多い。また、挽歌では、安積皇子挽歌(3-475)で、久邇の都が日増しに繁栄していく様子から、一転して、皇子の突然の死が語られるように、生前の皇子や天皇の繁栄を回想する箇所で用いられている。さらに、桜の花が美しく咲く様子を「栄ゆ」と表現し、巻13の人麻呂歌集の歌(13-3309)では、「つつじ花にほえ娘子桜花栄え娘子」と、女性の美しさの形容として用いている。人や出来事の輝かしさの表現は、豊かな生命力をまとった植物の様子から生み出されていったのである。380さかゆ栄ゆ倉住薫さ1
資料ID31989

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