さかい

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名さかい;さかひ;境
+項目名(旧かな)さかひ
+表記
TitleSakai
テキスト内容境界。領域。通常、自分の属する世界とは異なる世界との境目や、その地帯の意で用いる。境となる場所は、神代記に登場する「黄泉平坂」のように、山などの坂であることが多く、サカヒという語自体も、坂から派生した語であることが知られる。「海界(うなさか)」という語もあるが、高橋虫麻呂の浦島子の歌(9-1740)では、海界を越えて行くと、常世で海神の娘に出会ったと、歌っており、海界が、海における人の生きる世界と常世との境界線として認識されていたことが分かる。万葉集では、山上憶良の好去好来歌(5-894)に「唐の遠き境に」とある。遣唐使の出立の際の歌だが、日本にいる者にとって、遠く離れた唐が、異界として認識されていたことを示している。また、黄泉の国も、万葉集では「また帰り来ぬ遠つ国黄泉の界(さかい)に」と、黄泉の国が、二度の戻れない領域として歌われている。さらに、「大君の境ひたまふと」(6-950)とあるように、境界を定めるのは、神や大君であり、境界内の土地は、その神や大君の治めるべき土地となるのである。つまり、統治の及ぶ地が、その領域であり、統治の及ばない地が異界として捉えられたのである。坂は、境界となり、その境界を定めるのは、統治者なのである。
+執筆者倉住薫
-68551402009/07/06hoshino.seiji00DSG000377さかい;さかひ;境Sakai境界。領域。通常、自分の属する世界とは異なる世界との境目や、その地帯の意で用いる。境となる場所は、神代記に登場する「黄泉平坂」のように、山などの坂であることが多く、サカヒという語自体も、坂から派生した語であることが知られる。「海界(うなさか)」という語もあるが、高橋虫麻呂の浦島子の歌(9-1740)では、海界を越えて行くと、常世で海神の娘に出会ったと、歌っており、海界が、海における人の生きる世界と常世との境界線として認識されていたことが分かる。万葉集では、山上憶良の好去好来歌(5-894)に「唐の遠き境に」とある。遣唐使の出立の際の歌だが、日本にいる者にとって、遠く離れた唐が、異界として認識されていたことを示している。また、黄泉の国も、万葉集では「また帰り来ぬ遠つ国黄泉の界(さかい)に」と、黄泉の国が、二度の戻れない領域として歌われている。さらに、「大君の境ひたまふと」(6-950)とあるように、境界を定めるのは、神や大君であり、境界内の土地は、その神や大君の治めるべき土地となるのである。つまり、統治の及ぶ地が、その領域であり、統治の及ばない地が異界として捉えられたのである。坂は、境界となり、その境界を定めるのは、統治者なのである。378さかいさかひ境倉住薫さ1
資料ID31987

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