こむよ
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | こむよ;来む世 |
+表記 | 来む世 |
Title | Komuyo |
テキスト内容 | 死語の世界。後生・後生。仏教の輪廻転生にもとづく世の中の捉え方。仏教語の「来世」を訓読し和語化した語で、仏教語の「前世」「現世」とともに三世の1つ。大伴旅人の讃酒歌(3-348)に、現世を意味する「このよ」と、来世を意味する「こむよ」とが、対比的に用いられている。旅人は、現世を楽しく過ごすことができるならば、来世では虫や鳥になってしまっても構わないと、来世には無頓着であり現世での享楽に意義を見出しているのである。高田女王が今城王に贈った歌(4-541)でも、人の噂がうるさいので、来世でお会いしましょう、この現世ではなくて、と現世と来世が対比されている。高田女王の歌では、旅人の歌とは対照的に、現世が不都合なものであり、むしろ来世での恋の成就を願っている。旅人と高田女王の来世への思いは対照的ではあるが、いずれにしても、現世での過ごし方や相手との関係・因縁が、来世に反映するという仏教思想が影響していると認められる。 |
+執筆者 | 倉住薫 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 31978 |
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