きさ

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名きさ;象
+表記
TitleKisa
テキスト内容動物の象の古名。象をキサというのは、象牙の横断面に橒(きさ)(木目の文)があるためである(『萬葉動物考』)。『和名抄』に「和名 伎左」とある。天智紀に「象牙(きさのき)」とあり、当時すでに象牙の輸入されていたことが知られる。『拾遺集』にも「きさのき」(巻7-390、物名)を詠んだ歌がある。その一方で、『名義抄』に「キサ キザ サウ」、『色葉字類抄』に「象 セウ 平声 俗キサ」とあり、平安期には「キサ」「キザ」の他に、「サウ」や「セウ」ともいったらしい。万葉集には、「象山(きさやま)」「象(きさ)の小川」「象(きさ)の中山」と見えるが、いずれも、現在の奈良県吉野郡吉野町にある喜佐谷周辺の地を指したもので、動物の象とは無関係。象山は、弓削皇子の歌(3-242)にも詠まれている三船山と向かい合っており、これらの山の間に象谷(喜佐谷)がある。「象(きさ)」の地名は、橒(きさ)(木目文)の如き、ギザギザと蛇行した谷に由来するという(『角川日本地名大辞典』)。象谷に沿って吉野川の支流である象川が流れている。象川が吉野川にそそぐところを「夢のわだ」といい、この地もまた万葉歌に詠まれている(3-335、7-1132)。
+執筆者新沢典子
コンテンツ権利区分CC BY-NC
資料ID31928
-68492402009/07/06hoshino.seiji00DSG000318きさ;象Kisa動物の象の古名。象をキサというのは、象牙の横断面に橒(きさ)(木目の文)があるためである(『萬葉動物考』)。『和名抄』に「和名 伎左」とある。天智紀に「象牙(きさのき)」とあり、当時すでに象牙の輸入されていたことが知られる。『拾遺集』にも「きさのき」(巻7-390、物名)を詠んだ歌がある。その一方で、『名義抄』に「キサ キザ サウ」、『色葉字類抄』に「象 セウ 平声 俗キサ」とあり、平安期には「キサ」「キザ」の他に、「サウ」や「セウ」ともいったらしい。万葉集には、「象山(きさやま)」「象(きさ)の小川」「象(きさ)の中山」と見えるが、いずれも、現在の奈良県吉野郡吉野町にある喜佐谷周辺の地を指したもので、動物の象とは無関係。象山は、弓削皇子の歌(3-242)にも詠まれている三船山と向かい合っており、これらの山の間に象谷(喜佐谷)がある。「象(きさ)」の地名は、橒(きさ)(木目文)の如き、ギザギザと蛇行した谷に由来するという(『角川日本地名大辞典』)。象谷に沿って吉野川の支流である象川が流れている。象川が吉野川にそそぐところを「夢のわだ」といい、この地もまた万葉歌に詠まれている(3-335、7-1132)。,319きさ象新沢典子き1

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