きぎし

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名きぎし;雉
+表記
TitleKigishi
テキスト内容きじ(鳥の名)の古名。鶉鶏目きじ科の野鳥で、低い山や原野にすむ。「和名抄」には「雉 岐々須、一云岐之、野鶏也」とあり、キギスやキジとも呼ばれていた。記の神代に「さ野つ鳥 雉は響む 庭つ鳥 鶏は鳴く」(歌謡2)とあり、また万葉集には「羈旅の歌」と題する歌に「滝の上の 浅野の雉 明けぬとし 立ち騒くらし」(3-388)とある。人里の庭で、朝を告げる鳥として鶏がいるのに対し、旅先などの原野で朝を告げる鳥が雉なのである。また、紀では、高皇産霊尊の使いとして、「無名雉」が登場する(神代下)。このように雉が使いとして登場するのは、雉が節操を守る鳥であったことに由来するか。『周礼』春官・大宗伯「士執雉」の鄭玄注に「雉、取其守介而死、不失其節」とあり、「介」つまり節義(みさお)を守る鳥とされていた。また、白い雉は、祥瑞の「白雉」としてめでたい徴であった(『白虎通』封禅「白雉降」)。このように瑞鳥としての思想は、上代にも伝来しており、孝徳天皇紀650(白雉元)年2月条に、宍戸国司草壁連醜経が白雉を献上したことにより元号を白雉と改めている。
+執筆者大堀英二
コンテンツ権利区分CC BY-NC
資料ID31926
-68490402009/07/06hoshino.seiji00DSG000316きぎし;雉Kigishiきじ(鳥の名)の古名。鶉鶏目きじ科の野鳥で、低い山や原野にすむ。「和名抄」には「雉 岐々須、一云岐之、野鶏也」とあり、キギスやキジとも呼ばれていた。記の神代に「さ野つ鳥 雉は響む 庭つ鳥 鶏は鳴く」(歌謡2)とあり、また万葉集には「羈旅の歌」と題する歌に「滝の上の 浅野の雉 明けぬとし 立ち騒くらし」(3-388)とある。人里の庭で、朝を告げる鳥として鶏がいるのに対し、旅先などの原野で朝を告げる鳥が雉なのである。また、紀では、高皇産霊尊の使いとして、「無名雉」が登場する(神代下)。このように雉が使いとして登場するのは、雉が節操を守る鳥であったことに由来するか。『周礼』春官・大宗伯「士執雉」の鄭玄注に「雉、取其守介而死、不失其節」とあり、「介」つまり節義(みさお)を守る鳥とされていた。また、白い雉は、祥瑞の「白雉」としてめでたい徴であった(『白虎通』封禅「白雉降」)。このように瑞鳥としての思想は、上代にも伝来しており、孝徳天皇紀650(白雉元)年2月条に、宍戸国司草壁連醜経が白雉を献上したことにより元号を白雉と改めている。317きぎし雉大堀英二き1

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