かむはぶる
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | かむはぶる;神葬る |
+表記 | 神葬る |
Title | Kamuhaburu |
テキスト内容 | 神として、または神にふさわしい方法で葬る意。「葬る」の敬語ともいう。万葉集に2例のみ。高市皇子の殯宮時に詠まれた柿本人麻呂歌「…言さへく 百済の原ゆ 神葬り 葬りいませて…」(2-199)と、作者未詳歌「…あさもよし 城上の道ゆ つのさはふ 磐余を見つつ 神葬り 葬り奉れば…」(13-3324)。いずれも、死者を埋葬するまで一定期間安置し、死の確認と鎮魂を行う儀式、殯(もがり)の一場面を詠んでいる挽歌に見られる表現。生前同様、天皇や皇子を神と同格に位置づけた表現である。殯では発哭の儀礼や歌舞・誄の奏上が行われたが、歌ではそうした儀礼そのものよりも、死者へ変わらぬ忠誠と哀悼を詠んでいる。殯は、「大化の薄葬令」(646年)によって、王以下庶民については禁止された。天皇や皇子・皇女の薨去時のみ引き続き行われたのだが、次第に形式的になり、火葬も行われるようになった。7世紀の人々にとっての死生観も大きく変わったようである。そのため万葉集の挽歌に見られる表現も、こうした時代の動向を受けたものだと考えられる。 |
+執筆者 | 野口恵子 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 31909 |
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