かみよりいた

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名かみよりいた;神依り板
+表記神依り板
TitleKamiyoriita
テキスト内容神が依り憑く板。カミヨリイタ、カミヨセイタともいう。万葉集に「神奈備の神依り板にする杉の思ひも過ぎず恋の繁きに」(9-1773)と詠まれる1例のみ。『略解』に引く本居宣長の説に、「杉より板にすると言ふ事は、琴の板とて、杉の板を叩きて神を請招する事有り。今も伊勢の祭禮には此事有り」とあるという。宣長がいうように神依板と琴板とが、同一のものであるかは明らかではないが、神霊の依り憑く板であり、板を叩いて神を招き依せることができるという信仰があったものと推測される。諸注釈書では「杉」と「過ぎ」との同音による序詞と捉えられているが、『窪田評釈』は「上代の信仰では、男女関係は一々神意によつて定まるものとしてゐたので、神事の上では、重いものである神依板は、その歎きが神の喜び給はぬことだといふことを暗示するもの」と指摘する。上三句は序詞に止まらず、恋が神依板のように寄りついたことを暗示していると考えられる。
+執筆者鈴木道代
コンテンツ権利区分CC BY-NC
資料ID31886
-68450402009/07/06hoshino.seiji00DSG000276かみよりいた;神依り板Kamiyoriita神が依り憑く板。カミヨリイタ、カミヨセイタともいう。万葉集に「神奈備の神依り板にする杉の思ひも過ぎず恋の繁きに」(9-1773)と詠まれる1例のみ。『略解』に引く本居宣長の説に、「杉より板にすると言ふ事は、琴の板とて、杉の板を叩きて神を請招する事有り。今も伊勢の祭禮には此事有り」とあるという。宣長がいうように神依板と琴板とが、同一のものであるかは明らかではないが、神霊の依り憑く板であり、板を叩いて神を招き依せることができるという信仰があったものと推測される。諸注釈書では「杉」と「過ぎ」との同音による序詞と捉えられているが、『窪田評釈』は「上代の信仰では、男女関係は一々神意によつて定まるものとしてゐたので、神事の上では、重いものである神依板は、その歎きが神の喜び給はぬことだといふことを暗示するもの」と指摘する。上三句は序詞に止まらず、恋が神依板のように寄りついたことを暗示していると考えられる。277かみよりいた神依り板鈴木道代か1

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