かみのとき
大分類 | 万葉神事語辞典 |
---|---|
分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | かみのとき;神の時 |
+表記 | 神の時 |
Title | Kaminotoki |
テキスト内容 | 神々の領じた時代。神代。類似の語に「神代」「神の御代」「神の大御代」がある。万葉集には作者未詳歌「古(いにしへ)の神の時より逢ひけらし今の心も常忘らえず」(13-3290)1例のみ。当該例には、固有もしくは抽象的な神名が付されていないために、具体的にいつの神々の時代を指すのか明確ではないが、人々の時代に先行する、漠然とした太古の神々の時代を示すものとみてよかろう。上代では、現世の人々に関する物事の起源や存在理由について、神々の時代に典拠を求め、それに普遍性を与え正統性を保証する内容の歌が多くみられる(5-894等)。当該歌は、太古の神々の領じた時代から恋人同士は愛しさに会っていたらしいから、時が流れて現世に生きる人々の心においても常に愛しさを忘れられないと歌う。神々の時代を詠み込むことによって、現実にいま恋人に会いたいと願う自らの思いを、道理にかなった心のあり方として位置づけ肯定する。なお、当該歌の辞句に関しては、中大兄皇子の三山歌の長歌(1-13)等を踏まえた表現である可能性を指摘する論もみられる(『和歌大系』)。当該語詞の成立年代に関しては今後の考察を要する。 |
+執筆者 | 小林真美 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 31869 |
- |