かげ
大分類 | 万葉神事語辞典 |
---|---|
分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | かげ;影・蔭 |
+表記 | 影・蔭 |
Title | Kage |
テキスト内容 | ①光。太陽・月等の発光した輝き。②姿。③投影(水面・鏡面等に映った姿)。④虚像(眼前に存在せず実体のない姿・目に浮かぶ姿)。⑤陰影(遮光によって物体の背後に生じた薄暗い箇所)。⑥物陰(物体に覆い隠されて光の当たらない箇所)。⑦物体に遮られて、日光の直射や降雨を避ける建造物。多義的な意味を持つ語詞であるが、大別すると、①のように光や発光そのものをさす場合と、⑤⑥⑦にみる陰影・物陰をさす場合とに語義が分かれており、対義的意味を共有している。ゆえに、本来の意味や分化・分岐に至る経緯や、登場例における用法の究明は難解である。但し、上代文献における用例を踏まえると、赤・紅・朱・黄・金属色など赤系列の色彩を意識した語詞という点については明確であろう。万葉集には、単独語としては「月の影」や「橘の蔭履む路」等の用例がある。また、複合語として使用されることも多く、用例最多となる「面影」のほか、相聞歌において恋煩いにやつれた姿を表現する際に用いる「朝影」や、植物の状態を表現する「夕影草」「水影草」、建造物を示す「天の御陰」「日の御陰」、日光の射す南方を表現する「影面」などの用例がある。 |
+執筆者 | 小林真美 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 31830 |
- |